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"安替:中国はネット検閲があるから、一般のサイトには政治的なものは出現しない。だから、わざわざ政府のアクセスブロックをいろいろ苦労して乗り越えてツイッターにアクセスして、一般のポータルサイトが提供している..."

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“安替:中国はネット検閲があるから、一般のサイトには政治的なものは出現しない。だから、わざわざ政府のアクセスブロックをいろいろ苦労して乗り越えてツイッターにアクセスして、一般のポータルサイトが提供しているような娯楽なんかを求めるわけがない。だから、中国人が集まるツイッターは世界で最も政治的な集まり。ほとんどの人たちが政治について話してる。蒼井そらさんはそんなぼくらのインターネットヒロインなんですよ。

ぼくらがなぜここまで蒼井そらさんが好きなのか、日本の人たちはたぶん、お分かりにならないでしょうが(笑)……以前はぼくのフォロワーは1万人くらいだったんですが、そらさんの出現後2万を超えた。

というのも、彼女の言葉が読めるのはツイッターだけだった。国産のマイクロブログやウェブサイトじゃ読めなかったわけです。だから若者たちがツイッターに押しかけ、中国人ユーザー総数が倍になった。

中国語のツイッターでは「政治」が語られていますが、ぼくは時々英語でもツイートしています。それはツイッターがインターナショナルなプラットホームで、国内の活動がダイレクトに海外のメディアに伝わる、それもとても速く。だから、中国国内でなにかの動きが伝われば、多くの人たちがそれを英語に直して即座に外国のメディアに知らせるんです。

庄司:なぜ政府が目をつけないんですか?政府はあなたを逮捕することができるでしょ?

安替:目をつけてますよ、だからツイッターへのアクセスをブロックしている。でも政府はすでにブロックしてあるサイトを再びブロックすることはできない。ツイッターは幽霊なんです。

実際にはユーザーも捕まっている。でも、数百、数千という人たちが集まっているわけで、多すぎて皆を逮捕するわけにはいかない。

猪狩:だいたいどれくらいの人たちがツイッターを利用しているんですか?

安替:たぶん、20万人くらいはいますね。ヘビーユーザーは少なくとも数万人。多くが政府に対して不満を持っているオピニオンリーダーなので、彼らを逮捕するとその影響は大きい。彼らは海外のメディアとも直接つながっていますし。アモイに郭宝峰「amoiist」というツイーターがいるんですが、汚職を訴えるビデオをネットに流して逮捕された彼が、警察署から英語で「SOS! I was arrested by police」(助けて!警察に捕まった)と英語でツイートしたところ、それが多くの人にリツイートされた。海外メディアにも即座に伝わり、報道がなされ、同時に多くの人たちが(彼を捕まえた)現地の警察署に抗議のハガキを送ったんです。500枚ものハガキが一挙に届いて、警察はものすごいプレッシャーにさらされた。すると、郭は7日後に釈放されたんです。あれは、ツイッターを使って行われた初めての「集団行動」でした。

ふるまい:彼はただのツイーターの一人でしかなかったのに、あの事件で超有名ツイーターになった。

安替:そう、つまりこの事件が証明したのは、中国の中心から遠く離れた地方都市で一人のネットユーザーの放ったツイートが、世界的なメディアの注目を引き、世界中で報道される、そういうことが簡単に起こってしまうということ。田舎と「ニューヨークタイムス」紙なんかをつなげたのが、ツイッターだったんですよ。

庄司:日本のメディアはそれ見てないですよね、たぶん。

安替:たぶん言葉の壁もあるんでしょう。ぼくもね、中国と日本の関係に興味があるんですよ。というのも、日本のメディアは一般に、「人民日報」だとか「光明日報」だとか、あと「環球時報(グローバルタイムズ)」なんかを読んで中国を報道している。どれもひどい新聞なのに。日本のメディアはもっとインターネットに注目すべきですよ。一番鋭いジャーナリストたちは新聞じゃなくて、ネット上にいるんです。

日本政府が毎年、そんな新聞社の関係者を日本に招いていますが、連中は中国に戻ると結局もとのもくあみ。共同通信の記者が「環球時報」の連中に、「ニュースを転載するときに内容とタイトルを変えてしまうのはやめてくれ」と伝えたそうです。すると「環球時報」側は「帰ってから担当者に伝えます」と答えたという。でもぼくからすれば、連中はそのやり方を変えたりしない。日本人を責め立てるのが彼らの仕事なんです。彼らはナショナリズムのかたまりなんですから。つまり、日本が毎年のように中国の国営メディアを招いたところで何の役にも立たない。

でも、ドイツのメルケル首相は訪中して胡錦濤と会談を持ったあとに、ぼくや他の3人の大学教授と面談した。ぼくはヒラリー・クリントンがインターネットの自由に関するスピーチをやった時も現場に招かれました。西洋諸国の政府は、市民社会に関心を払っている。彼らは少なくとも、市民社会を「中国の半分」だと考えている。なのに、日本はそんな「本当の半分」には語りかけない。”

- [JMM]「安替:ネットメディア外交のスゝメ」大陸の風-現地メディアに見る中国社会/ふるまいよしこ (via nagas, morutan)

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