10億円の私財を自らが育った神奈川県南足柄市に寄付した
横溝千鶴子さん(88)は、節約で10億円こしらえた人物として注目をあびた。
しかし、金を無心しようと自宅にまで押しかけた輩と、
節約ばかり強調する一部マスコミに強い憤りを感じているという。
値上げの時代が到来する今、果たして財産はどのように築いたのか、
また、寄付に託した真の願いは何なのか。
横溝さんは11月16日の記者会見以来、
胸の内にわだかまりを抱え続けてきた。
当初はすべての取材を拒否してきたが、
「思いを伝えてくれるのなら」と、ようやく重い口を開いてくれた。
「10億円にどのような思いを込めたのか、
結局、どなたも聞いてくださらなかった。それがとても残念。
そして節約のことが前面に出すぎてしまった。
このお金をこれからどう使うか、それが大事ですのに…」
一連の報道で、読者は節約で10億円をためて自治体に寄付した女性
と理解しているだろう。だが、真相は違った。
「10億円は、約25年前に都内の土地とマンションを売却した際の
お金を核にして、利息やその後の収入を加えてつくったものです。
節約だけで10億円なんてためられませんよ」
記者会見では、お金をためた方法について詮索されるのが嫌で、
「つい、始終やっていることが口に出てしまった」という。
「お風呂の残り湯をお洗濯やトイレで使うのは事実ですが、
物を大切にする気持ちが節約につながっているだけのこと。
重い水を運び、筋力を維持する意味もあります。
残り湯を大事にすればお金がたまる、というほど簡単なものではありません」
何より残念だったのは、「義務、責任、愛情」を
子供たちに原点から教えていきたいとの気持ちが全く伝わらなかったことだ。
「子供のヤル気を起こさせて個性をのばせるよう、10億円で国債を購入し、
1年分の利回り2500万円を教育や奨学金として使っていただきます。
今後は先生を教育する『横溝塾』の創設も考えています。
今は子供をあまりにも平等に扱い過ぎる。競争がなければ成長はありません。
これからの教育にお金を役立て、さらに、私のように寄付をする人が
全国に現れてくれれば、日本もよい国になるでしょう」
巨額の寄付が報じられてから、
「私を助けてほしい」といった電話や訪問客が相次ぎ、手紙も30通届いた。
「父を救ってください」と玄関先で涙ながらに話す女性もいたが、
「私は人間の基礎づくりをしようとしているのです。
人生の“結果”にはかかわりません」と受け付けなかった。
「元気バアさん」と報じた週刊誌には、
記事を書いた記者を電話で怒鳴りつけるほど、怒りをあらわにした。
「これから『横溝塾』では教師を、大磯町に設立する母子センターで
母親を直接教育しようと思っているのに、
“バアさん”の話を真剣に聞いてくれると思いますか?
見た目は確かにおばあさんでしょう。
でも私は年齢を超越し、若い人と真剣に向かい合おうとしています。
それなのに“バアさん”では、情熱に水をかけられた思いです」
帰り際、玄関で「どうか私の思いを伝えてください」と、
深々と頭を下げた横溝さん。
おだやかな笑顔の奥に、国の未来を案ずる情熱がみなぎっていた。
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_12/t2007120501_all.html
”- 10億円寄付老婆にたかり相次ぐ:ブログはくだらないし俺もそうだ:So-netブログ (via petapeta)