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- ネットは、人を“幼稚”にさせる:インタビュー 菊地 成孔 音楽家・文筆家・音楽講師 (via whatsmyscene)
パソコンは、誰かが作った作品を加工したり、それをネタに語ったりすることを劇的に容易にしました。例えばテレビで放映されたアニメをすぐに取り込んで、編集し直して公開する、という行為がありますよね。一種の剽窃の形態です。音楽ではヒップホップから始まっているし、美術だったらポップアート、コラージュですよね。どれも、登場したときは先鋭的でとてもおもしろかった。ただこれほど共有や加工が進むと、それもなくなりました。
昔は、作家個人のイマジネーションの地位というのは特権的に守られていました。天才がみんなをひれ伏させるぐらいすばらしいものを作って、それに対してみんながお金を払っていた時代はもう終わりです。今や作品は、単なる餌に過ぎない。それをネタに語り倒したり、めちゃくちゃに加工したりしたいという人たちがたくさん待っていて、その中に餌を投げているだけではないかという気もします。
だから今は、そういう環境の中で価値がある表現や芸術が模索されています。表現だけにとどまらず、発表する発表形態自体も表現の中に取り込んでいくことになるでしょう。
”- ネットは、人を“幼稚”にさせる:インタビュー 菊地 成孔 音楽家・文筆家・音楽講師 (via whatsmyscene)