尖閣問題で様々な商用メディア・掲示板・ブログから考察する記事・スレッドが登場すると同時に、現地情報の記事・スレッドも配信された。現地情報というと「中国人のブログではこう書かれていた」とか「中国の新聞はこうでした」とか「中国の掲示板での意見」とか。
大事なのは「どの媒体で」掲載されてたかということ。そこが抜けると非常にマズイ。
逆の立場で。中国人が「日本のメディアによれば、こう報じられていた」と記事やブログを引用するとする。そうすると日本人は、「こんなこと言うなんて何処のメディアだ」と調べてみて、朝日新聞だったり毎日新聞だったり産経新聞だったりすることがわかって、朝日補正なり産経補正が日本人読者の中で入る。
たとえばネットのQ&Aサイトでの質問で、それが「発言小町」なのか「Yahoo!知恵袋」なのか「人力捜索はてな」なのかで、3サイトを知っている人なら補正できる。外国人が「日本のQ&Aサイトではこんな変な質問があった」とだけ報じられていたら、掲載メディアの傾向を書いてないことに対し、ちょっとまてと突っ込みたくなる。
「中国の掲示板で書き込んでみるわ」といって中国人側の反応を見るにしろ、その掲示板の住民の日本に対するポジションを知らないと日本人は内容を補正できないわけだ。「反日色の強い掲示板・チャットグループ」と「親日色の強い掲示板・チャットグループ」ってのがあるわけだし。
「覚えておきたいこと」とは書いたが、中国に片足を突っ込んでない読者が「メディア補正」できずに、それがその国の人々のリアルだと思ってしまうことは理解できる。多忙な中でちょっとだけ中国のリアルの声を見ようと、話題のスレッドを見ている人だっている。
だからこそお願いしたいのがメディア側。ナーバスな話題にネタ的なリアルボイスが含まれた記事やスレッドひとつだけ引っ張り出すなり利用するなりして、それをその地域のネットユーザーの総意(ないし多数派の意見)と誤解しかねない誘導をするのはやめるべき。いろんな考えの人がいる。様々な掲示版やメディアを調べて、それでも多数派のネットユーザーが似たような考え方を持っているなら、それは紹介すべき。
結果的にリアルと隔離した印象をつけた(つけようとする)記事・スレッドを見て気分悪くなった(リアルから隔離した印象を与えるのが目的なのかどうかはトピ主ぞ知る)。中国好き嫌いの問題じゃないよ。
”- 中国リアルIT事情 - [尖閣問題]海外の現地情報のニュースを読む際に覚えておきたいこと